ツワナ語での最もベーシックなコミュニケーションは命令形です。- Setswana Grammar Manual
この一文を読んだ時「なるほど!確かに!」と思いました。日常会話で命令形は多用されていました。英語でも命令形を使うのでなんだかぶっきらぼうで失礼な感じを受けることも多かったのですが「ツワナ語で最もベーシックなコミュニケーション」から来てるのですね。
命令形は動詞を言うだけなので、動詞さえ覚えれば良いです。
例
日常で頻出するものを太字にしてみました
命令文の非定型の構文は次のとおりです。
Se + 動詞(末尾のaをeにする)
例文
非定型にはもう一つの形式があります。
人称代名詞 + seka + 動詞の原形
例文
現在形の肯定文には2通りあります。
この2つの文の違いはなんでしょうか?そうです、後者は目的語を伴いません。最初の文は「男はボホベを食べている」次の文は何かわからないけど「食べている」のです。構文にも違いがありますね。後者は動詞「ja」の前に「a」がついてます。
最初の文の構文は以下です。名詞を()にしてあるのは、あってもなくても良いからです。
(名詞) + SM + 動詞の原形 + 目的語
目的語を伴う場合はこの形です。ツワナ語では現在進行系と現在形の明確な違いは無いので「男はボホベを食べる」でも「男はボホベを食べている」でも使えます。
次に目的語を伴わない場合は次の構文になります。
(名詞) + SM + a + 動詞の原形
動詞の前に「a」が付いていますね。動詞の後に目的語を伴わないときは「a」が必要です。逆に目的語を伴う場合は「a」は付けてはいけません。
私が初めて教わった時「a」は現在進行系だと認識していましたが、実際には「a」をつけると目的語が取れないのでこれは誤りです。ならばどういう使い分けがあるのかなと考えると単純に文を短くしたい時だと思います。例えば
もちろんBは「Ee mma, ke ja Bogobe(エエ ンマ、ケジャ ボホベ)=はい、私はボホべを食べます」とフルセンテンスで答えることもできますが、シンプルに「ke a ja」でも良いわけです。
さて、「何かしたくない」「何かしない」場合の非定型はどう表現するでしょう。
(名詞) + ga + SM + 動詞(末尾aをeに変える) + 目的語
非定型はSMの前に「Ga」を付けます。そして、動詞が活用し「-e」(-エ)で終わります。上の例の「taboge」(走る)は肯定文では「taboga」です。次の「je」(食べる)も肯定文では「ja」です。
Nna(私)は省略できます。肯定文でも「Nna ke a apaya」ということもできます。日常では「nna」を先頭につけると「私」を強調した言い方に聞こえます。
「彼、彼女」のSMは「o(オ)」で表します。「あなた」も「o(オ)」ですが、「あなた」の「o」は、声色低めの「オ」と「ウ」の間の感じ、「彼、彼女のo」は声色高めの「オ」と「ウ」の間の感じで発音します。
私でもあなたでもない誰か、三人称単数系の場合は、SMが変化し「a」となります。この変化は三人称単数系のみです。
私:一人称単数形
あなた:二人称単数形
彼・彼女:三人称単数系
私達:一人称複数形
あなた達:二人称複数形
彼ら・彼女達:三人称複数形