人称目的格代名詞の発音の変化(N/Mワード)
代名詞と指示代名詞で「動詞の左に代名詞を置く」場合においてn=me, mo=himに関しては特別なルールがあると記載しました。私は勝手に「N/Mワード」と読んどります。
mo = him の後に、b-で始まる同士の場合は動詞がmm-に変化する。
この変化は「発音がしやすい」という理由で動詞が変化する類のもので日本語においては「鼻音同化」と言われる類です。
例文:Ke a mo bona → Ke a mmona (私は彼を見ています)
「けあもぼーな」と発音されるところが、moとbonaを早く言おうとしてm(b)onaとなりますがbの部分をなごりでm (ハミングするような音)が残り、「むもーな」となるわけです。「もぼーな」と発音すると「o」の口を2回することになり面倒だということですね。
例文2:Ke tla mo bitsa → Ke tla mmitsa. (私は彼を呼ぶつもりです。) こちらも「けたもびーつぁ」が「けたむみーつぁ」となるわけです。
n = me はこれよりもバリエーションがある。
moは動詞がb-で始まる場合にこの例外が生まれるわけですが、n=meはもっとバリエーションがあるのです。頭痛いですな。
- n + 動詞 = nk-動詞
- n + g = nkg-
- n + h = nkh-
- n + l = nt-
- n + d = nt-
- n + r = nth-
- n + s = ntsh-
- n + b = mp-
- n + p = mp-
- n + f = mph-
- n + n = nn-
例文1: O a n ruta. → O a nthuta.(あなたは私に教えている) 「おあんる(巻き舌)ーた」が「おあんとぅーた」となります。ツワナ語ネイティブにとって「ん」(この場合の発音は「あんない」「みんな」の「ん」の発音、英語のnと同じ)のあとに「r」を発音するのは発音しづらいため、「th」に変わってしまうということです。
例文2:Mpho o tla n bona → Mpho o tla mpona kamoso. (ンポは明日私に会う。) 「んぽ、おた、ん、ぼーな かもそ」が「んぽ、おた、んぽーな かもそ」になります。その方が発音がやりやすいんですね。
人称代名詞+命令形
命令法で命令形をしましたが、「私/彼・彼女/彼ら」のために、あなたが「〜をして」と命令する場合は「否定の命令形」と同じように動詞の末尾が「-e」に変化します。
- Ba thuse! (彼らを助けてあげて!)= Ba + thusa(help) + e
- Ba fe! (かれらにあげなさい) = Ba + fa(give) + e
nとmoについては上記の例外が命令形でも適用されます。
- Mmitse (彼を呼んで) = Mo + bita + e
- Mmone (彼を見て) = Mo + bona + e
- Nthekele (私に買って) = N + rekela(誰かのために買う。reka=買う) + e
- Mphe (私にくれ) = N + fa + e
複数に対して言う場合は末尾に-ngが付きます。
Nthekelang! (あなたたち)私に買って!
あああ、しょっちゅう言われる「んてけれ」の謎がいま明らかになりましたね!
大変ややこしい、「-e」の変化やN+動詞の変化ですが日常生活では特に間違えても結構通じるはずです。特に「-e」に関しては間違えてもなんとなく分かってもらえるはずです。私も「Mphe」(give me)は「んぺ」と言わずに「んぱ」、「Nthekele」(Buy for me)も「んてけれ」ではなく「んてけら」言うてました。
実は、文法的には「nthekela」という-aで終わる場合は、通常のフルセンテンスでの表現です。
O a nthekela. = あなたは私に(何かを)買ってくれている。
