単純現在形
命令法
ツワナ語での最もベーシックなコミュニケーションは命令形です。- Setswana Grammar Manual
この一文を読んだ時「なるほど!確かに!」と思いました。日常会話で命令形は多用されていました。英語でも命令形を使うのでなんだかぶっきらぼうで失礼な感じを受けることも多かったのですが「ツワナ語で最もベーシックなコミュニケーション」から来てるのですね。
命令形は動詞を言うだけなので、動詞さえ覚えれば良いです。
例
日常で頻出するものを太字にしてみました
- Tsena!(ツエーナ!)= (ドアをノックされたら使う言葉)お入りなさい!
- Tla! (タ!) =(こっちに誰か来て欲しい時)来なさい!
- 日常ではTla kwano!(タクヮーン!)=こっち来て!のフレーズで頻繁に使われます
- Ema!(エマ!) = 待て!
- 生活ではEma pele!(エマピーレ!)=ちょっと待ってやEma mo stopong!(エマ モ ストッポン!)=バス停で止まって!というフレーズで多用します。
- Taboga!(タボーハ!)=走れ!
- Bona!(ボーナ!)=見て!
- Bula!(ブーラ!)=開けて!
- Tswala!(ツヮーラ!)=閉めて!
- Suta!(スータ!)=どいて!
- Tsaya! (ツァーヤ!)=取れ!
- Thusa!(トゥーサ!)=助けて!
命令法・否定形
命令文の非定型の構文は次のとおりです。
Se + 動詞(末尾のaをeにする)
例文
- Se je(セージェ!)= 食べるな!
- Se tsameke!(セツァメケ!)=遊ぶな!
非定型にはもう一つの形式があります。
人称代名詞 + seka + 動詞の原形
例文
- O seka wa tsena (オセカワツェーナ) =入ってこないで
- O seka bona(オセカボーナ) = 見ないで
- O seka taboga (オセカタボーハ)= 走らないで
現在形・肯定文
現在形の肯定文には2通りあります。
- Monna o ja bogobe(モンナ オジャ ボホベ)=男はボホベを食べている。or 男はボホべを食べる。
- Monna o a ja(モンナ オアジャ)=男は食べている。 or 男は食べる。
この2つの文の違いはなんでしょうか?そうです、後者は目的語を伴いません。最初の文は「男はボホベを食べている」次の文は何かわからないけど「食べている」のです。構文にも違いがありますね。後者は動詞「ja」の前に「a」がついてます。
最初の文の構文は以下です。名詞を()にしてあるのは、あってもなくても良いからです。
(名詞) + SM + 動詞の原形 + 目的語
目的語を伴う場合はこの形です。ツワナ語では現在進行系と現在形の明確な違いは無いので「男はボホベを食べる」でも「男はボホベを食べている」でも使えます。
次に目的語を伴わない場合は次の構文になります。
(名詞) + SM + a + 動詞の原形
動詞の前に「a」が付いていますね。動詞の後に目的語を伴わないときは「a」が必要です。逆に目的語を伴う場合は「a」は付けてはいけません。
- Monna o a apaya (モンナ オア アパーヤ)=男は料理をしている。or 男は料理する。
- Nna ke apaya bogobe. (ンナ ケ アパヤ ボホベ)=私はボホべを料理している。 or 私はボホべを料理する。
- Barutabanna ba a ruta(バルタバンナ バ ア ルータ)=先生たちは教えている。 or 先生たちは教える。
私が初めて教わった時「a」は現在進行系だと認識していましたが、実際には「a」をつけると目的語が取れないのでこれは誤りです。ならばどういう使い分けがあるのかなと考えると単純に文を短くしたい時だと思います。例えば
- A: A o ja Bogobe? (ア オ ジャ ボホベ?)=ボホベ食べますか?
- B: Ee mma, ke a ja. (エエ ンマ、ケアジャ)=はい、食べます。
もちろんBは「Ee mma, ke ja Bogobe(エエ ンマ、ケジャ ボホベ)=はい、私はボホべを食べます」とフルセンテンスで答えることもできますが、シンプルに「ke a ja」でも良いわけです。
現在形・否定文
さて、「何かしたくない」「何かしない」場合の非定型はどう表現するでしょう。
- 私は走りません = Ga ke taboge (ハケタボーヘ)
- 彼らはチキンフィートを食べません = Ga ba je “Runnaways” or “Menoto” or “hicken tsamaya” (ハバ ジェ ランナウェイズ or メノート or チキンツァマヤ)
- あなたは知りません = Ga o itse (ハ オ イーツェ)
- 私は知らない = Ga ke itse (ハ ケ イーツェ)
(名詞) + ga + SM + 動詞(末尾aをeに変える) + 目的語
非定型はSMの前に「Ga」を付けます。そして、動詞が活用し「-e」(-エ)で終わります。上の例の「taboge」(走る)は肯定文では「taboga」です。次の「je」(食べる)も肯定文では「ja」です。
- 肯定文: Ke a apaya(ケア アパヤ) = 私は料理をする。
- 否定文: (Nna) ga ke a apaye = 私は料理をしない。
Nna(私)は省略できます。肯定文でも「Nna ke a apaya」ということもできます。日常では「nna」を先頭につけると「私」を強調した言い方に聞こえます。
「彼、彼女」のSMは「o(オ)」で表します。「あなた」も「o(オ)」ですが、「あなた」の「o」は、声色低めの「オ」と「ウ」の間の感じ、「彼、彼女のo」は声色高めの「オ」と「ウ」の間の感じで発音します。
- Thabo o ja bogobe (ターボ オジャ ボホベ)=ターボはボホベを食べる
- Thabo ga a je bogobe (ターボ ハ ア ジェ ボホベ)=ターボはボホべを食べない。
私でもあなたでもない誰か、三人称単数系の場合は、SMが変化し「a」となります。この変化は三人称単数系のみです。
私:一人称単数形
- ke ja bogobe = Ga ke je bogobe
あなた:二人称単数形
- O ja bogobe = Ga o je bogobe
彼・彼女:三人称単数系
- O ja bogobe = Ga a je bogobe
私達:一人称複数形
- Re ja bogobe = Ga re je bogobe
あなた達:二人称複数形
- Lo ja bogobe = Ga lo je bogobe
彼ら・彼女達:三人称複数形
- Ba ja bogobe = Ga ba je bogobe