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名詞クラス
ツワナ語では1,1a,2,2a,3,4,5,6,7,8,9,10,11,14,15,16,17,18の合計18の名詞クラスがあります。ただし、1a,2aは1,2の派生系、16〜18は前置詞用の特殊なクラスです。ですので、合計13です。
また、奇数は単数形、偶数は複数形のクラスです。名詞クラス2は名詞クラス1を複数にした単語です。という感じで法則があるのでちょっとは気が楽になりますね。合計13で、単数、複数とペアにならないやんけ、と思いますが例外もありクラス10がクラス9と11の複数形となるので13になるんです。
本サイトでは元となっているSetswana Grammar Manualとは少し異なるボツワナ用名詞クラス分類を使います。
2022/05/28 他のテキスト(First step in spoken setswana)でもクラス分類はSetswana Grammar Manualと似てました!私の教えてくれたバージョンが実は違うのかもしれません。違いは、単純に、このページでのクラス1、クラス1a、クラス2(クラス1の複数形)を「クラス1」とまとめているのが他のテキストの分類のようです。
凡例
- N = Noun
- PM = Posessive Marker (英語で言うところの“of”)に当たるところ
- P = Posessive
- AM = Adjective Marker
- AD = Adjectiv
- SM = Subject Marker (別テキストでは Linking Concord)
- V = Verb
名詞クラス1
名詞クラス1は「人」を表す単語で単数形です。
- Prefix: mo
- Subject Maker: o
- Possesive Maker: wa
- Adjective Maker: yoo/oo
- 対象名詞:単数、人、ナショナリティ、プロフェッション、ジェンダー、種族
- 名詞例:monna,mosadi,moithaopi,morutabana,ngwana
Moithaopi wa JICA yo o bothale o ithuta Setswana.
ボランティア JICAの 賢い は ツワナ語を学ぶ
- N: Moithaopi=ボランティア → 名詞 Moで始まる名詞なのでクラス1
- PM+P: wa JICA = JICAの → クラス1のPM(of)はwa
- AM: yo o →クラス1のAM(who is)はyo oかo o
- SM: o → クラス1のAMはo
- V: ithuta =学ぶ
⇒「賢いJICAボランティアはツワナ語を学ぶ」
名詞クラス1a
名詞クラス1aは基本的に誰かの名前か近親者を表す単語の単数形です。
- Prefix: なし
- Subject Maker: o
- Possesive Maker: wa
- Adjective Maker: yoo/oo
- 対象名詞:単数、特定の誰か(ex:Mpho,Sato),近親者
- 名詞例:Mpho,Sato, malome(母方のおじ),rakadi(父方のおば), ntate(父),ngwanake(自分の子供)
Tebogo wa Botswana oo botlhale o gorogile.
テボホ ボツワナの 賢い が 到着した。
- N: Tebogo =人名
- PM: wa Botswana = ボツワナの
- AM: oo(who is)
- AD: 賢い
- SM: o
- V: gorogile = 着いた。
⇒ 賢いボツワナのテボホが到着した。
テボホさんの到着がえらい仰々しい文章ですね。賢いを表す「botlhale」はStrong AdjectiveでPrefixがつきません。人名に使えて覚えやすいので例文で多様してます(笑
名詞クラス2
名詞クラス2は名詞クラス1の複数形です。実は名詞自体もクラス1のmo-をba-に変えると複数になるんですね。先ほどの例文をまるっと使えて便利。
- Prefix: ba
- Subject Maker: ba
- Possesive Maker: ba
- Adjective Maker: ba ba
- 対象名詞:クラス1の複数系
- 名詞例:banna,basadi,baitahopi,barutabana,bangwana
Boithaopi ba JICA ba ba bothale ba ithuta Setswana.
ボランティア達 JICAの 賢い は ツワナ語を学ぶ
- N: Baithaopi=ボランティア達 → 名詞 Moで始まる名詞の複数形はBaで始まります
- PM+P: ba JICA = JICAの → クラス2のPM(of)はba
- AM: ba ba →クラス2のAM(who is)はba ba
- SM: ba → クラス2のAMはba
- V: ithuta =学ぶ
⇒「賢いJICAボランティア達はツワナ語を学ぶ」賢いJICAボランティアが複数になりました。複数になっただけで「全員」ではありません(ぉ
名詞クラス2a
クラス2aはクラス1aの複数形です。クラス1aの名詞にBoをつければ複数形になります。
- Prefix: bo
- Subject Maker: ba
- Possesive Maker: ba
- Adjective Maker: ba ba
- 対象名詞:クラス1aの複数系
- 名詞例:BoMoho,BoSato,bomalome(母方の叔父が複数),borakadi(父方のおばが複数),bontate(複数のおとうさん),bongwanake(自分の子供が複数)
BoTebogo ba Botswana ba ba botlhale ba gorogile.
(複数の)テボホ ボツワナの 賢い が 到着した。
- N: Tebogo =人名
- PM: wa Botswana = ボツワナの
- AM: oo(who is)
- AD: 賢い
- SM: o
- V: gorogile = 着いた。
偶然、ボツワナに賢いテボホさんが複数居て、どちらも到着したんですね〜。名詞例のbongwawake(my children)はいいですけど、borakadiとかbomalomeとかちょっと意味深で複雑な家族構成ですね。いや意味わからんか。
ちなみにngwanake, bongwanakeは所有格(of mine)が含まれた単語ですので、ngwawake wameにはなりません。これだと私の私の子供、と2回私のを表現してしまってます。
名詞クラス3
- Prefix: mo
- Subject Maker: o
- Possesive Maker: wa
- Adjective Maker: o o
- 対象名詞:mo-で始まる、体の名称、植物、動物、自然現象、オブジェクトの単数
- 名詞例:moriri(髪),molomo,mologo,morubisi,motse
motse wa bone o o montle o shele.
村 彼らの 美しい は 燃えた。
⇒彼らの美しい村は燃えた。
悲しすぎる例文ですね・・・。
名詞クラス4
- Prefix: me
- Subject Maker: e
- Possesive Maker: ya
- Adjective Maker: e e
- 対象名詞:mo-で始まる、体の名称、植物、動物、自然現象、オブジェクトの複数
- 名詞例:meriri,melomo,melogo,merubisi,metse
metse ya bone e e mentle e shele. 村々 彼らの 美しい は 燃えた。 ⇒彼らの美しい村々は燃えた。
絶望感あふれる例文ですね・・・。
mentleは-ntleというWeak Adjectiveなので名詞クラスによってPrefixが変わります。
名詞クラス5
- Prefix: le
- Subject Maker: le
- Possesive Maker: la
- Adjective Maker: le le
- 対象名詞:le-で始まる、体の名称、植物、動物、自然現象、オブジェクトの単数
- 名詞例:letsogo,lerotse(かぼちゃ),lengapu(すいか),lewatle(sea),legodu(thief), lepodisi(police officer) , lesole(solder)
名詞クラス6
- Prefix: ma
- Subject Maker: a
- Possesive Maker: a
- Adjective Maker: a a
- 対象名詞:le-で始まる、体の名称、植物、動物、自然現象、オブジェクトの複数
- 名詞例:matsogo,marotse,mangau,mawatle,magodu,mapodisi
名詞クラス7
- Prefix: se
- Subject Maker: se
- Possesive Maker: sa
- Adjective Maker: se se
- 対象名詞:se-で始まる言語名、オブジェクト、体の名称、人格
- 名詞例:setswana, sejapane, sechina,sekgoa(english),
setilo(chair), sekere(scissor),serope, sehuba,sematla(foolish) ,setsenwa(crazy:下品な言葉),sefofu,semumu(ろうあ者)
名詞クラス8
- Prefix: di
- Subject Maker: di
- Possesive Maker: tsa
- Adjective Maker: tse di
- 対象名詞:名詞クラス7の複数形
- 名詞例:ditilo
名詞クラス9
- Prefix: n,k,p,t
- Subject Maker: e
- Possesive Maker: ya
- Adjective Maker: e e
- 対象名詞:n,k,p,tで始まる体の名称、外来語、動物、物
- 名詞例:nko,tsebe,tlhogo,
chenchi,komputara(computer),Printara(printer),founi(phone), Nku(sheep),Pudi(goat),Tonki(doky),koko, hempe(shirt), galase (grass), tafole, pensele(pencil),pene(pen)
名詞クラス9はWeak AdjectiveにPrefixをつけません。
Komputara ntle. ( beautiful computer)
名詞クラス10
- Prefix: di
- Subject Maker: di
- Possesive Maker: ya
- Adjective Maker: e e
- 対象名詞:名詞クラス9の複数形
- 名詞例:dikomputara(computers),dirintara(printers),difouni(phones)
名詞クラス9はWeak AdjectiveにPrefixをつけませんでしたが名詞クラス9の複数形名詞クラス10になるとWeak Adjectiveにdiのprefiが付きます。
Diomputara dintle. ( beautiful computers)
名詞クラス11
- Prefix: lo
- Subject Maker: lo
- Possesive Maker: lwa
- Adjective Maker: lo lo
- 対象名詞:名詞クラス5のleで始まるものはloに置き換えても同じ意味として通じるが、名詞クラスは変化し11になる。
- 名詞例:Logong | legong(wood) , lobone | lebone (lamp,lighting),lotso | letso (funeral)
名詞クラス5のle〜の単語をlo〜にしても同じ意味として通じるけど名詞クラスは変わるのでSM、PM、AMは変わります。ややこしい。
加えてこれらの複数形は名詞クラス12ではなく名詞クラス6を使います。・・・んが!一部例外としてクラス10になるものもあります。この辺りの例外が混乱しますが、例外があるとだけ知っておけばいいのかな?
例外として複数形はクラス10のdi-になる
loso → dintso
logong → magong/dikgong
lobone → mabone / dipone
名詞クラス12,13
ツワナ語ではこの2つのクラスは使いません。
名詞クラス14
- Prefix: bo
- Subject Maker: bo
- Possesive Maker: jwa/ba
- Adjective Maker: bo bo
- 対象名詞:bo-で始まる名詞
- 名詞例:Borotho → bread,
Bogobe →solgam meal, bojang → grass
複数形はクラス6になります。
名詞クラス15
- Prefix:
- Subject Maker: go
- Possesive Maker: N/A
- Adjective Maker: go
- 対象名詞:go+verbの時のクラス
Ke rata go kwala ga gago. (貴方の書物が好きです) Go kwala ga gago go gontle. ( 貴方の書物は美しい)
名詞クラス16,17,18
名詞クラス16,17,18は「fa」「go」「mo」で始まる前置詞用のクラスです。SMやPM、AMありません。
名詞クラス16
fa godimo ga tafole = on top of table fa thoko ga ntlo = next to house fa tlase ga setlhore = under the tree Kopi e fa godimo ga forigi.
名詞クラス17
Go lebagana le = opposit to
- Setlhare se gobapa le ntlo.*
名詞クラス18
mo teng ga ntlo = inside house
- Ntsa e mo teng ga ntlo.* = Dog is inside house.
名詞クラスを理解すると途端に複雑な文章が作れるようになりますね。単語を覚えていないと使えないという難しさと、なによりもヒアリングが大変です。これほどに単語の先頭文字が活用する言語は初めてです。bantle,montle,lentle,sentleどれも美しいなんですが、文字で見ると分かっても、ヒアリングだと全く認識できません。